悪あがきブログ。

ママで妻で“働く”女のつれづれ日記。

ワガママ上等。

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“歩み寄ることが必ずしも正解とは限らない。”


ここ数年、なんとなーく感じていること。
ラクなこと・心地良いことが良しとされる世の中になってきて、
まぁそりゃ便利だしゆるいし良いんだけど、なんか物足りないよなぁと思うことも。

ファッションなんかはその最たるもので、
コンフォート、カジュアル、スポーツといったキーワードが並び、
ぺたんこ靴とスニーカーが主流になってもう何年経つだろう。
(コレクションレベルではもっと違うトレンドがたくさんあるんだろうけど・・・)
7㎝以上のヒール履いてる人なんてなかなか見かけなくなったものです。

子育てをしている身としては、
長く続いているこの傾向は、動きやすいし楽だし歓迎すべきものなんだけど、
クローゼットで眠っている繊細な素材のスカートや細身のワンピースやらを着る機会はもうほとんどないんじゃないかと思うと、ちょっと切ない。

最近、断捨離を兼ねて衣替えをしていたら、ここ数年で買った服にある法則があることを発見した。

“マタニティ服やご近所服は、買って1年以内に捨てるかパジャマ化する”

ママ向けの洋服はだいたい
「産後も着れます!」
「授乳口が目立たない!」
などとされているものが多く、なるほどすごく機能的で、一見すると普通の服に見えるし、長く着られそうに作られている。
が、外着としての寿命はせいぜい1年だったのだ。

理由は簡単。
“アガらない”のだ。
なんせ買う時からテンションは低い。
リアル店舗は限られるので、だいたいネットでママ専門のサイトを見るのだが、
いきなり入口からママだけに括られて、良い母風の淡い色が多く、レースや花が多用されたデザインからまぁまぁ気に入ったものを選ぶ、という流れは全然楽しくなかった。
(※実際はモノトーンも普通にあるし、別にレースや花が特別多いわけではなかったんだけど、ひねくれた私にはそう見えたということ・・)
商品が届いて、謎のブランド名が書かれたタグと、たいていダボッとしたその商品を見ても、新しい服を買った時のあのウキウキ感はない。
そして着る時も、(特に家から半径1キロを越える時)なんだかちょっと落ち着かない、恥ずかしいようなこそばゆいような変な気分になるのだ。自分で選んで買ったくせに。

かくして、買う時から着る時まで全然アガらない“ママ向けの服”を着なくなる。

贅沢な話だ。
特別オシャレなわけではない私が偉そうなことを言えた立場ではないが、
たぶん
「ママのための服ですよ、こんなニーズあるでしょ?便利ですよ!」
って歩み寄られて、こちらから背伸びをしなくてもいいように配慮されるのが嫌なのだ。

オシャレなママは多い。
というか昔より増えたと思うし、この頃はパパまでオシャレしてベビーカー押して歩いている。
この状況に
“子育てはファッションではない。子供をアクセサリーみたいに扱うな”
“ママになってもオシャレじゃなきゃいけないという呪縛から放たれよう”
などということも言われているようだが、
子育てに奮闘する嵐のような日々の息抜きとして、ちょっと背伸びして(オシャレして)出かけることが自分を保つための術であるママは少なくないはず。それを呪縛に囚われている人たちだとは言い切れないだろうし、多くは純粋に楽しんでいるんじゃないかと思う。
そういう人たちに、親になったなら親らしく機能・効率第一の生き方にシフトチェンジしろなんて、酷な話だ。

こうしたママたちにとっては、
“純粋に良いと思うもの(=気分がアガる物、食べ物、コトetc)”
が、たまたまママ視点でも良いものだった、
という順番が大切なんじゃないだろうか。
例えば、
「仕立てが良くてとても気に入った服が、家で洗濯できて公園にも着て行けるものだった」
というのと
「洗濯できて公園に着て行ける服を探したら、そこそこの服を見つけた」
というのでは、幸福度が全然違うのだ。

ところがこの順番に着目したプロダクトやサービスはまだ少ない。
ママで括ったほうが何かと効率的だからだろう。
キッズカフェ、ママチャリ、ファミレスetc…
どれも便利だし私もお世話になっているけれど、ママ枠縛りのサービスはママでなければ利用しないだろうものが多いのだ。

この手の話はいろいろな意見があるから、何を言っているんだとお叱りを受けるような考え方かもしれない。
ママじゃない人たちと気持ち良く理解し合えるかという課題も大きい。
ただ、たぶん間違いないのは、ワガママで贅沢なママは今後増えていくだろうこと、そしてそういう人たちは大抵アグレッシブに生きていて、社会的な影響力が強いだろうということ。


息子とアナ雪のDVDを見ながら、
誰も踏んでない真っ白な雪原に足跡をつけるアナやエルサやクリストフは、すごく気持ちいいだろうなぁ〜と思った。
まだまだ未開拓のマーケットなら、雪原に足を踏み入れるように、少々ちょっかいを出したいなぁと思った秋の夜更けでございます。