形から入ろう。
道具って大事だなぁと、この頃思う。
仕事がお休みの間は、育児は大変な時期だしドタバタするけど、やっぱり時間はたっぷりある。
“今日やらなくてもなんとかなること”が日常に溢れているのだ。(それはストレスをなくしてくれる反面、段取り力や根性みたいなものを鈍らせる元凶にもなるんだけど…)
とにかく、1分を争うあの嵐のような日々とは全く違う時間が流れている今。
有り余っている(かのように感じる)時間をどう使うか。
うーん、やっぱり「食」に手をかけたい。
美味しいものこそ元気の源。
三度の飯より飯が好き。
冷凍総菜に頼りながら、いかに時短調理でそこそこバランスがいい食事を作るかが最重要だった時期とは違う。
やろうと思えば、丸一日煮込んだスープや、一晩寝かせた肉や、スパイスから作るカレーを準備することもできる。
やろうと思えば。
やろうと思えば…。
この“やろうと思えばハードル”を越えるのがいつも大変なんだけど、(時間があるように思えるけど、実際は家事と子供の世話であっという間に1日が終わってるわけだからね。)
思いがけず、夫(何事も形から入るタイプ。料理好き。)がナイスアシストをしてきた。
・グローバルの包丁
・ストウブの鍋
・リーデルのワイングラス
・燕のカトラリー
……などなど、いわゆるキッチンツールの“定番名品”を少しずつ買い揃えだしたのだ。
私もつられて一点物のお皿を奮発してみたり、来客用にとしまいこんでた食器を普段使いに下ろしたり、道具が充実してきたらなんだかテンションが上がっている。
役者が揃ったら演じないと。
私の料理なんて上手くも下手でもなく、基本的には平凡なものを平凡に作るだけだが、
そんな私でもせっかくだからたまには道具に恥じないものを作ろうと思うんだから、道具というのは意外とモチベーションになるんだなぁと気付いた。
またそれはキッチンに立つ夫の“どやモード”を見ても明らかでありますハイ。
ついには“旅先で料理をしよう!”という企画まで生まれ、
今、包丁と鍋を持ち込んで山の中で毎日料理しておりますw。
スペアリブのオレンジ煮
ラム肉のきのこクリームソース
シチリア風ブイヤベース
手包み餃子
牛スジ肉のカレー
塩ちゃんこ鍋
… レシピ本を片手に食べたいものをただ作るのはなかなか楽しい。
多少雑に作っても、鍋がなんとか味をまとめてくれてるようで美味しいし。
山はやっぱり空気も水もきれいで、
もうすぐ3歳の長男はキャーキャー言って走り回っています。
肝心の料理はちっとも落ち着いて食べてくれないけど、好きな物をつまみ食いしながら満腹になって熟睡して翌朝また走り回るのは、まぁ楽しそうなのでいいやと放置。
次男は兄ちゃんにもみくちゃにされながら、達観した修行僧のように青い空と紅葉しかけた森を眺めてる。 よく寝るし、よく笑う。
ノンアルの缶がどんどん空いて積み上げられていく。壮観。
腰が上がらないことがあったら、形から入るのがいいんだなぁ〜、と、赤ちゃん片手にぐびぐびしながら思い至る秋の夜長です。