【読書】“野心”の先にあるものとは?
ちょこちょこ本を読む。
このベストセラーを読んだのだけど、
「野心のすすめ」林真理子著
なぜだか前に読んだこれと比較してしまった。
「働き方革命」駒崎弘樹著
ジャンルもスタンスも全然違うし、
恐らく比較対象にする人もいないような2冊だけど、
“世の中にズルズル流されずに自分の軸で考え、行動し、努力し、幸せになろうぜ!”
という趣旨は同じだと思った。
そしてどちらも面白く名著なのだが、
どうも“野心〜”の方はストンと腹落ちしない。
なぜか?
『野心の前輪と、努力の後輪でできた乗り物に乗って突き進むのだ!低きに流れるな若者よ!』
(ふむふむ、そうだそうだ!いい例えだなぁ。)
『そしてお金稼いで地位や名誉や名声を手にし、いい車買ってブランド品の良さを知り、ファーストクラスで世界に出るのだ!』
(??!)
え、野心を持って努力した結果はソコですか??
という違和感。
恐らくそれが、腑に落ちない原因だと思う。
林先生の価値観はどうやらまだバブル期のそれらしく(失礼)、
まだギリギリでブランド品もいいなと思える30代前半の私でさえこの違和感なのだから、
この“野心の成果物”は若者には共感されないだろうなー・・・と思ってしまった。
もちろんお金は大事だ。すごく。
お金がないと話にならないことが世の中にはたくさんある。
でも。
お金(やそれに付随する地位や名誉やモノ)に換えられない幸せは何だろう?とみんなが必死に探してる時代。
お金があったらそれをいかに生き生きとした使い方にするかを考える時代。
その時代感自体はとても素敵だと思うから、
ちゃんと乗って行きたいなぁと思う。
“働き方革命”の方で印象的なのは、著者が働き過ぎで心身を壊していた時期を回想し、
『自分は泥沼の中をほふく前進するような生き方(働き方)をしていた。
ゴールも見えなければ進んでいるのかもわからない。そこにはただがむしゃらにやっているという事実しかない。
そうではなく、景色の良いハイウエイを仲間と車で走るような生き方(働き方)をするべきだったのだ。』
という内容の部分。
ここで言う“働く”とはpaid workだけを指すのではなく、家族や地域のために時間と労力を費やすunpaid workも指す。
そういう新しい労働観・幸せの尺度を持った人たちから生み出されたものは、きっと世の中に喜ばれると思うのよね。
どうせ買うなら、関わるなら、楽しそうに働いてる人たちの会社のものにしたいって、なるんじゃないかなー、と。
20年後に、あーこんなはずじゃなかった、と思わないような生き方がしたいなぁ。
やらない後悔よりやってしまった後悔のがマシと言い聞かせ。
悪あがきかもしれないが。ね。